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アレクシエーヴィチさんの講演会に行ってきました



なんとか生き残ってます!早稲田大学教育学部国文科2年の上野です! 夏前には新人公演で演出をしたことを考えると、1年というのは本当にあっという間です。今回の本公演では、一役者として、主役を演じる一年生達をサポートしたいと思っています。 さて、夏にはロシアに行ったりもしましたが、今年最大の体験は、昨年のノーベル文学賞作家であるスヴェトラーナ・アレクシエーヴィチさんの講演会に行ってきたことです。場所は東京外国語大学。コンツェルトの偉大なる大先輩、沼野恭子先生のご厚意で、会場に入れてもらいました。 講演を聞いた後の最初の感情は、『気持ち悪さ』でした。つまり、私はこれまで、何か一つでも、自分で、ここまで深くものを考えてきたことがあったか、と不安になってしまったのです。自分の頭を使って考えることが、いかに難しいか… 講演の最後、私はアレクシエーヴィチさんに、文学とは何か、今後の文学の価値とは何か、尋ねました。私が質問をする前に、アレクシエーヴィチさんは、宗教や芸術に、もはや社会を決定的に変える力はないと明言していたことから、どうしても聞ききたいものでした。なぜなら、アレクシエーヴィチさんはノーベル文学賞をとっているのです。 明確な答えは、私の能力不足からかだとは思いますが、アレクシエーヴィチさんの回答からは得られませんでした。この日ほど、自分のロシア語力の低さを痛感したことはありませんでした。 しかしながら、一つだけ確信したことがあります。それは、今後の人生において私が大切にしなければならないのは『誠実さ』であるということです。この『誠実さ』とは、人に嘘をつかないなどという意味はもちろん含みますが、それよりも、人の話を聞き、その人を取り巻くコンテクストを知り、その上で自分の頭でその人のことを考える、ということです。文学に限らず、芸術と呼ばれるものは、この手順を踏むのではないか。 なんとも青臭いまとめになってしまいますが、物事の本質?を捉える姿勢とはこのようなものだと強く感じました。現実、現状と呼ばれるものを理解しながら、その先を自分の頭で考える…上手く言語化出来ませんが、なにかを掴めた講演でした。 本公演までもう時間はありません。この文章も稽古の合間に書いています。今年の本公演が成功すること、今後のコンツェルターが楽しめて、満足できる環境が作られることを祈りながら、残りの時間を過ごします。 それでは、12/27.28にお会いしましょう!!!

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